Capture One PRO 4.6 へバージンアップしました

先日、Capture One PRO を 3.7 から 4.6 にバージョンアップしました。
そこで今日はいろいろと使ってみた感想を書きたいと思います。

私は Ver 1.1 からのユーザーですので、ライセンス認証は Ver 3.x までしか行えません。しかし、今回の Ver 4.6 は、Ver 3.x がインストールされていれば無料でバージョンアップが可能ということでしたので、早速インストールして使ってみました。


■操作性

さて、まずは操作性から。
Capture One PRO の操作性は Ver 3.x までは同じでしたが、今回は大きく変わりました。今まで使っていた方は少々なれが必要ですね。もともと、このソフトは Windows 版と Mac 版の2バージョンがあり、それぞれが別々の操作性を持つ不思議なソフトでした。個人的には Mac 版の方が若干ですが機能が多く、使いやすかったと記憶しています。

今回の操作性は Mac 版がベースになっているようで、マニュアルを見るかぎり Windows 版も Mac 版も統一されたようです。基本的なデザインは、右側にタブ形式で表示されていた各現像プロセスが画面上部のアイコンに変更になりました。まぁ、それでも「ライブラリ」「キャプチャー」「カラー」など主要な機能に変更はありません。もちろん、それぞれの機能は強化されています。

あっそうそう、今回から「クイック」といった項目が増えています。簡単に言うと、よく使う機能をひとつのタブに集約し、あちこちのプロセスに切り替えることなく作業できるようにすることが目的だと思われます。

■良くなった機能

まずは「カラー」→「ホワイトバランス」がいいですね。かなり精度が上がりました。これは試してみる価値があります。ただ、古い機種の場合は改善されていない? もしかすると、カメラがよくなったからかも(笑

それと「レンズコレクション」ですが、今回から分析機能が追加になりました。これにより「色収差」が自動で補正されます。もともと Capture One PRO はこの色収差の補正が優れていましたがさらに便利になりました。

この機能はあらかじめレンズの固有情報をもとに補正をかけるタイプではないので、詳細な補正は手動になりますが、逆にメーカーがサポートしていないレンズであっても簡単に補正ができます。例えば EOS 20D と EF-S 17-85mm F4-5.6 IS USM の組み合わせなどです。

あと「詳細」にある「クリア」ですが、これはたぶん明暗の強弱をつける機能ではないかと思われます。これも使い方次第では面白い機能だと思います。

逆に無くなた機能は、「自然な彩度」です。それと、キャッシュの保存場所の指定ができなくなったようですね(現在調査中)。いまは RAW のあるフォルダに自動的に作られます。

■新機能「スタイル」

今回「スタイル」といった考え方が導入されました。
これはキヤノンでいうところの「ピクチャースタイル」に近い考え方ですが、正確には少々違います。

Capture One PRO の基本的な考え方は、まずはカメラプロファイルを決めます。カメラによっては複数用意されていますがそれほど大きな違いはありません。(正確には光源によって使いわけをしなければならないらしい)

これをベースに色を微調整していくのです。ですので、「スタイル」はあくまで補助的な役割となります。実際には「B&W」「Color」「Exposure」の調整ができますが、すべてメニューにあるパラメータを変更して調整するものです。例えば「Color – Vivid2」は「露出」タブの「彩度」が 37 に調整されるといった感じです。

Photoshop のプラグインソフトで「Exposure 2」といった製品がありますが、フィルムシミュレーションといいつつ、実際はこれと同じ原理で色を調整しています。

私としては、フィルムのプロファイルを作っておいて、プロファイル変換で色を変えるような方法が正しいのではないかと思っています。これを部分的に彩度の調整をしてフィルムの色調を再現するには少々無理があります。より良い質感のある写真に仕上げるためには、プロファイル変換のような方法で、使い分けするべきだと思います。

ただ、Capture One PRO には以前から「カラーエディタ」という機能が備わっています。これを使えばかなりのことはできます。基本的な考え方は、補正したい色をスポットで選び「色相・彩度・明度」で変更できる機能です。商品撮影などのとき、任意の色を補正することも可能ですし、色の補正を現像ソフト側で最初から設定をしておくとこで、作業性をアップさせることもできます。

また、オリジナルな色作りにも活用できると思います。もちろん、ベルビア風な色作りも可能でしょう。ただ、基本的な色の知識や根気がいるので、一般の方にはあまり進められない機能です。

■色

今までの Capture One PRO は「人肌」重視のソフトであったため、人肌以外の色についてはどこか不自然さが残っていました。また、色だけではなく、コントラストにも問題がありました。純正ソフトに比べてシャドー部を持ち上げるので、風景には使えない。だって、風景はどちらかといえばシャドーを引き締める方向ですから。

しかし、今回の Ver 4.6 では、そのあたりが改善されました。かなりいい!
もっとも、カメラが良くなったせいなのか、モニタの表示能力が上がったせいなのか、はたまた Ver 4.6 の画像エンジンが良くなったのか、本当のところはわかりませんが、知り合いの人も同様のことを言ってましたので、ソフトの画像エンジンも良くなったと思われます。

また、シャドー部については「レベル」の「自動」を行うことで、ほぼ完成の域に達します。このあたり、もう少し時間をかけて検証してみたいと思っています。

■まとめ

さて、ざっと感想を書いてきましたが人肌に関しては、やはり一歩先をいってますね。また、全体的な「色」に関しても他のソフトとの差は無くなったと思われます。Capture One PRO は例えるならば、しっとり感のあるフィルム調な雰囲気を目指しているって感じでしょうか。まぁ、これが最大の特徴かも知れませんが。

しかし「スタイル」の方向性としては Adobe Lightroom のように、プロファイルで変換するシステムの方がより柔軟性と生産性が向上するのではないかと思います。補足ですが、Adobe Lightroom はスポット的に色を補正することもできますし、現時点では最強ではないかと思います。

Capture One PRO は、このカメラプロファイルをもう少し強化してもらうといいかも知れませんね。そういえば昔、有料のプロファイルがあったと思います。そういった配慮からカスタムプロファイルが無いのかも知れません。

また操作性に関しては、以前は他を圧倒していましたが、すでに Lightroom や他のソフトに追いつかれたと思います。しかも、最近の Lightroom は「赤目補正」や「スタンプ」などの補正機能や、スライドショー作成やHP作成、コンタクトシート作成などの機能が豊富です(一部 Capture One でもありますが)。

それぞれの方向性が微妙に違うので、どのソフトが良いのかを一概に決めることはできませんが、人肌にこだわる方は Capture One PRO をお勧めします。また、風景写真を中心に考えている方や、プリント、HP作成など、現像機能以外の部分を重視される方は Lightroom が良いかも知れません。ただ、どちらにせよ、もう単純な現像のみで作業が終わる時代ではないので、Capture One PRO も、このあたりの改善は必要かも知れませんね。

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