「高感度」が風景写真の撮影スタイルを変える

今まで風景写真といえば、三脚にセットして撮る。そういった撮影スタイルが「常識」だったと思います。デジタルカメラの初期は高画素化を求める声が多く、特に風景写真ではその傾向が強かったと記憶しています。

その結果的として、各感度における画質が同等であれば画素を増やす方向で技術開発が行われ、次々とカメラが発売されてきました。しかし、最近のカメラは少し方向性が違ってきているようです。

フィルムカメラの時代は、低感度のフィルムが良しとされ、FUJIFILM の Velvia を愛用する風景写真家は多かったと思います。しかしその反面、スローシャッターによるデメリットもありました。

例えば、秋の夕暮における意図しないスローシャッター。ちょっとした風でも被写体がブレてしまう。また、少しでもカメラブレを抑えるため三脚が必須となり、望遠レンズにおけるカメラブレ対策は重要なテクニックの一つでした。それでも、画質(解像感が高く、発色が良い)向上のためであれば、好んで使っていたものです。

デジタルカメラも、初期のカメラは ISO400 が限度で、フィルムカメラとの違いと言えば ISO の設定をショット単位で変更でき、撮影したその場で結果を確認できる。もちろん RAW で撮影しておけば、露出や色合いなどを後から修正も可能でしたが、三脚中心の撮影スタイルは変わりませんでした。

しかし・・・

私ごとですが、3年ほど前から手持ちや一脚を使った「高感度撮影」に切り替えたら、色々な変化が表れてきました。例えば、今までだったら撮影しなかったような被写体やタイミング、カメラアングルでの撮影が増えました。結果として、1シーン当たりのセット時間は短縮され、総ショット数は増えました。


前置きが長くなりましたが、これらのことについて、少しまとめを残しておこうと思います。
まずは、何が変わったのか。

1. 手持ちや一脚での撮影が増えた(カメラアングルの自由度が増えた)
2. 秋の夕暮などの撮影において、シャッタースピードを上げられる
3. 秋の夕暮などの撮影において、絞り込める

これにより、どうなったのか。

1. 三脚セットの時間が必要なくなったため、一回あたりの撮影時間が短くなった
2. 疲れ方が違う(笑)
3. 今までだったら撮影しなかっただろうと思われる被写体にもシャッターを切るようになった
4. フレーミングの自由度が増えた
5. シャッタースピードと絞りに自由度ができたため、写真表現の幅が増えた
6. 被写体ブレが改善された

もちろん、意図的にスローシャッターを切るときは三脚にセットします。
あと、最近のカメラの良いところは、

1. ライブビューにより、露出の確認が素早くできる(色はあまり気にしていない)
2. オートフォーカスの性能向上。薄暗く肉眼では判別できない状況でも正確にピントを合わせてくれる
3. 風景の動画撮影が1台で可能

と言ったところでしょうか。

結局のところ、写真はカメラだけでは成立しないということですね。カメラの性能アップをどのように活用するのかといったスキルも必要な時代になってきたようです。

う~ん、そろそろ EOS-1D X に入れ替えようかなぁ・・・

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