インクジェットプリンタのグレイを評価
先日から久しぶりにプリンタの色合わせをしていますが、今日はインクジェットプリンタのグレイについて書きたいと思います。
というのも、少なくともインクジェットプリンタの色は季節(気温や湿度)により、結果が変わってくると考えられます(特に人肌)。そこで問題なのは Eye-One Macth を使っても、プリント結果が同じにならないことなのですが、そもそもプリンタのグレイバランスが悪いのではないか?と疑問に思い、グレイを中心に簡単なチェックをすることにしました。
テスト方法は、テスト用画像を作成(L*10、L*50、L*95)し、Eye-One で作成したプロファイルでプリントしたものと、コダックのカラーチェッカー及びマクベスのカラーチャートの各グレイを Eye-One Share で測定し、結果を Excel を使ってグラフ化してみました。プリンタはもちろん PX-G900 で、用紙はエプソン純正のクリスピアです。
■テスト用画像
■Eye-One、コダック、マクベスの比較
さて、これを見てもらうと面白いことがわかります。
まず、Eye-One で作成したプロファイルは、L*10 以外はかなりバランスが悪いですね。想像するに、シャドー以外は CMY の合成によりグレイを印刷しているためではないかと思われます。また、L*95 のシャドーが持ち上がっているのは、用紙(クリスピア)の影響だと思われます。これに比べてコダックのカラーチェッカー及びマクベスのカラーチャートはほぼまっすぐな線になっています。つまりグレイがキレイに出ているってことなんですよね。
参考までに、エプソン純正のプロファイルや、ピクトリコの各グレイとの比較を載せてみます。どのケースの場合でも、カーブの傾向としては同じなので、プロファイル以前にプリンタに問題がありそうなことがわかります。それにしてもエプソン純正のプリンタプロファイルは、やはり問題ありですねぇ。
■Eye-One、エプソン純正、ピクトリコの比較
今回は PX-G900 での結果ですが、これが PX-5500 ではどんな結果になるんでしょうかね?
たぶんもう少しキレイなグレイが出るのではないでしょうか?
しかしこんなのを見ていると、インクジェットプリンタは季節変動の問題と、グレイの問題の2つを解決できないとこれ以上のクオリティアップはできなのではないかと思えてきます。
今度は時間をみてフロンティアをチェックしてみたいと思います。
分光内容は、メタメリズムに影響ありですが、鑑賞光源を一定にした場合には、
各チャート間での色見の評価については、問題があるかどうか、なんとも言えない所です。
色=Σ(分光測色データ×等色関数)
上記分光測色データから色の値を計算して、
その色が最終的に相違あるかないかの方が良いと思います。
i1Shareでも 計測時のLab値は読み取れたと思いますので、その値がどうなっているかですね。
PLIE さん、コメントありがとうございます。
いろいろとアドバイスをいただきましてありがとうございます。今回の問題としまして、私が考えているのは、プロフィルの「A to B」ではなく、「B to A」が問題なのではないかと思っています。
カラーマネージメントの本によると、「A to B」は実測値で、「B to A」は計算値であるため、「B to A」側でずれる可能性があるそうです。これを修正するには Profile Editor が必要ですね。
さて PLIE さんのアドバイスに従い、Eye-One Share にて Lab 値を計測してみましたが、変換後の精度はどのプロファイルも dE 0.6 前後となりました。しかし、プリントした画像の測色をしてみたところ、dE 4.3 以上の差がでてしまいました。(L50 の場合です)見た目にもかなり色が違います。
あとは測色結果を数回計測して、平均値でプロファイルを作ってみるしかないですかね?