分光光度計(i1 Photo)について
最近よく、「Monaco と i1 のどちらがいいの?」とか、「どう違うの?」って聞かれるんですよね。そこで、簡単に説明をしたいと思います。基本的には、Monaco であっても i1 であっても、プロファイルの精度に大きな差はないと思います。むしろソフトが使いやすいか? の方が重要です。
ただし…
測色器が違います。
例えば、MonacoEZcolor 2.6 の場合は市販のフラットスキャナを使います。そもそも比色計であるフラットスキャナでは RGB しか読み取れないんです。しかし、実際の色は「赤」から「オレンジ」「黄」「緑」「青」そして「紫」と多くの色からなります。これら全ての色が読み取れないと正確に色を判断することができないのです。
■スペクトルの各カラーの波長は以下のとおりです
赤:630及び700nm
オレンジ:590及び630nm
黄:560及び590nm
緑:480及び560nm
青:360及び480nm
紫(UV)は測色しません
ちなみに分光光度計である i1 はそれらの光をナノメータ(100分の1ミリ)の単位で測色します。きちんと色を読み取れなければ、正しいプロファイルの作成はできないというわけです。さらに i1 Photo は、反射光/透過光の両方をサポートしているので、Monaco シリーズのようなモニタ用とプリンタ用の2つのセンサーは必要ないのです。ただコストを考えると、Monaco のように反射光と透過光のセンサーを分けた方がいいのでしょうね。
また、Monaco PROFILER や Monaco PROOF、新しい Pulse ColorElite System は、モニタは比色計で、プリンタは分光測色計(分光光度計)です。もちろん、測色器として i1 を使うこともできますけど、あまり意味がないかも知れません。(Monaco のソフトが使いたい場合は有効ですが、コスト高です)
まぁコストも大事ですが、私の個人的な意見としては極めるならば分光光度計の i1 でモニタもプリンタも測色するべきだと思います。
あと最後に基本性能ではなく、発色の傾向(好み)についての感想です。
Monaco 系のソフトは、わりと鮮やか系ですし、i1 系のソフトはナチュラルですね。どちらにせよ、元の画像のよしあしがはっきりと出るので、それを勘違いしてソフトのせいにする人もいます。
私は、本格的にカラーマネージメントをするならば MonacoEZcolor はお勧めしません。それ以上の製品(20万円以上)ならば、買って後悔することはないと思います。
ああ~、、この事実をもう少し早く知っていれば・・・
しかし嘆いても仕方がないのでモナコで頑張ろう。