ホワイトバランス

今回、EOS 20D を購入したのをきっかけに、ホワイトバランスについていろいろと調査していました。

いままでデジタル写真研究所では、透過光によるマニュアルホワイトバランスを推奨してきましたが、最近は少し事情が変わってきているようです。その理由として、デジタルカメラの性能が良くなってきたこと、それによりフィルム時代でも行われてきた色の管理のノウハウが必要になってきたことです。

色の管理のノウハウとは、「色温度」と「色合い」の2つの要素のことです。この2つの要素がホワイトバランスを決定することがわかってきました。これはカラーメーターをお持ちの方ならばすでにお分かりだと思いますが、特に蛍光灯などの光源は色温度だけでは正しくホワイトバランスをとることはできません。銀塩時代でいう「LBフィルター」と「CCフィルター」の2つが必要になるのです。

では、なぜここで「CCフィルター」の機能が必要になるかと申しますと、CCフィルターは蛍光灯などのような演色性の良くない光を補正するものなのです。蛍光灯やミックス光では、太陽光に比べて光の特性がデコボコしているため、CCフィルターを使いこれを補正します。なので太陽光では必要ありません。ちなみに EOS 20D では、このCCフィルターに相当する機能がすでに備わっています。

もっとも、ホワイトバランスを正確に取ることが正しいというわけではありませんが、基本的な考え方と思ってください。それと、マニュアルホワイトバランスは、基準とする画像を Photoshop などの機能にあるスポイトツールでグレーバランスをとる動作と同じことをしているようです(各現像ツールで実験済み)。ですので、特に色合いに関してずれがあると、とんでもない色の画像になってしまうので要注意ですね。

さて、まとめると、太陽光はカメラの基本機能にある「色温度」指定を使う方法が良い。もしくは「太陽光」でもOK。ただし、被写体により記録されている色温度が変化する場合はNGですのでご注意ください。人工光の場合はなんらかの方法でホワイトバランスをとる必要があるといえます。たとえば、ExpoDisc や グレーカードを使ったマニュアルホワイトバランスか、カラーメーターや、i1 Photo などの測色器を使って測定する方法などがあると思います。

まぁ、この辺のことは、Jpeg か RAW か?などさまざまな要素があるのでひとつに限定はできませんが、それぞれの目的により研究する必要がありそうですね。次回以降でいくつかの解決方法をご紹介できればと思います。

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    ホワイトバランス” に対して4件のコメントがあります。

    1. 大石 勲 より:

      EOS 20Dは測定器のように正確になりましたが、周りの色に引きずられて信用できない数値を記録していることもあります。RAW現像でミックス光源や蛍光灯の場合、グレーカードの濃度別に、色温度と色被り補正の数値を見ながら平均値を出して、それをもとに現像値を決定しております。

    2. y-komano より:

      大石勲さん、こんにちは。
      > 周りの色に引きずられて信用できない数値を記録していることもあります。
      あっ、ここの部分ですが、ホワイトバランスの設定はどのようにされていますか?よろしければ教えてくださ~い。
      私もマニュアルホワイトバランスをしていたころはかなりの頻度で発生していました。つまり、クリックホワイトバランスでホワイトバランスをとるとバラツキがあるのといっしょの原理なんですよね。しかも素材によっては青っぽくなったりします。
      ですがホワイトバランスの設定を「色温度指定」にしてからは安定していると思っています… が、自信が無いので、あとで実験をしてみますね。
      大石さんのコメントにもありますように、人工光の場合はやはり「色合い」(もしくは色被りの補正)が必要なようですね。大石さんのやり方も一つの参考にさせていただきます。ありがとうございました。
      今後もよきアドバイスをお願いいたします。

    3. 大石 勲 より:

      こんにちは! 近ごろはCSのCAMERA RAW一本ですので、全ての光源でAWBで撮影しています。CAMERA RAWで示される数値は自然光の場合、殆ど的を射ていますが、人工光や蛍光灯では信用しておりません。何れににてもグレーカードを最優先にして決定しております。

    4. 白いものを白く写すホワイトバランス

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