i1 Photo を使い込んでいくと2つの問題にあたる
結局のところ、i1 Photo でつめていくと、2点ほど壁にぶつかります。
それは「無彩色のグレーバランス」と「色のマッピング」の調整ができないことです。
今回、フロンティアなどの業務系のプリンタと、インクジェットプリンタのプリンタプロファイルを作成してみたのですが、フロンティアや PM-4000PX ではきれいなグレーがでるのに、PX-G900 となると i1 Photo は18%グレー以下が赤っぽく、MonacoPROFILER は18%グレー以下が緑っぽくなりました。
この色の違いはあれ、PX-G900 を使うには少々コツがいるようですね。(MonacoPROFILER でのプロファイル作成は今年の1月ごろに作成したものです。厳密には同一条件ではありません)
※スキャニング画像では i1 Photo も Monaco も PX-G900 のスケールは緑に偏っていますね…
■i1 Photo + FRONTIER
■i1 Photo + PX-G900
■MonacoPROFILER + PX-G900
そもそも、i1 Photo は単にプリンタの性能を測定しデータ化しているだけなので、ある意味プリンタの素性がはっきりとするわけですが、どうやら安い?インクジェットプリンタは、無彩色グレーバランスにバラツキがあるのではないか?もしくは、インクジェットプリンタは計測が難しいのではないかと思われます。
これは例えば PM-4000PX には、グレーバランサーといったソフトが海外にあって一時期騒がれましたが、こんなツールがあるってことは、やはり個体差があるのでしょうね。でも、私のところの PM-4000PX はこのグレーが結構きれいに出ていました。まぁ、こういったところにコストがかかっているのでしょう。
この無彩色のグレーバランスばかりは i1 Photoではどうしてみようもありませんが、どちらにせよプロファイルの無彩色グレーバランスがとれれば、どちらのツールでもまったく問題はありません。
あっ、少々脱線しますが PX-G900 って2~3ヶ月に一回くらいは、全インクカートリッジをはずして良く振ったほうが色が安定するようです。夏場だけなのかもしれませんが、私の PX-G900 はそれで黄色かぶりから脱出しました。ちなみに PX-G900 のインクは1年以上前に製造され、かなり古いものしか流通していないように感じます。(当方が田舎に住んでいるためかも知れませんが…)
さて話を戻します。
そこで ProfileEditor や MonacoPROFILER の登場ってことになるんですが、これらのツールには、この無彩色グレーバランスをとる機能と、先般から問題視していた、明るい黄色が飛んでしまうところを補正する「セレクティブカラー」といった機能があります。また、MonacoPROFILER には、グレーをグレーにするって機能があったような気がきます。こういったときに使うんでしょうね。どうやら最後はこれらの機能が必要になるようですね。
とりあえず現状では、プロファイル変換方法を「知覚的」で変換することと(少し緩和される)、Photoshop の「色相・彩度」のレイヤーで飛んでしまう色を補正するしかありません。あとはお金との相談になりますね(笑)
管理人様
お世話になります、りょうと申します。
我が家にもPM-4000PXがあるのですが、印刷結果のマゼンタ
被りに困っております。
当然、当HPのICMを使った印刷をしております。
グレーバランスも全く取れておらず、グレーバランサーを使って
みたのですが、なかなかびしっとした感じになりません。
そこでi1 Photoなども検討したりしているのですが、この記事を
見ると無彩色のグレーバランスはi1では取れないということなの
でしょうか。
りょうさん、こんにちは。
返信が遅くなりました。すみません。
この日記を書いた時点では、まだ i1 Photo を使いこなしていなかった部分もありました。
実はですね、インクジェットプリンタのプリンタプロファイルを作成する場合、カラーパッチを印刷してから最低一週間程度たってからでないと良い結果が出ないことがわかっています。
以前より、i1 Photo は人肌に関してグリーンにかぶる印象がありましたが、これはたぶんマゼンタが取れていない状態でプリンタプロファイルを作成したためと思われます。
現在はグリーンかぶりすることもなく、いい感じでプリントが出来ています。ですから、この点だけ注意していただければ問題なくお使いいただけると思います。