インクジェットプリンタは本当に安定しているのか? その1
今日はインクジェットプリンタの評価方法とその結果について書きたいと思います。
今までは感覚的なことで書いてきましたが、今回は数値化をしながら検証をしてみたいと思います。
評価の目的は、温度と湿度の変化による色の変化についてと、プロファイル変換による違いについてです。
プロファイルを比較するツールは ProfileMaker 5.0 に付属している MeasureTool を使いました。
このソフトを簡単に説明するならば、テストパターンを変えてプリント及び測色したデータ(Eye-Oneにて測色)を正確に比較することができます。もちろん、dE 値で表示されます。今回はこのソフトをデモ版で使用しています。デモ版でもプロファイルの比較ができるので、何かと便利に使えます。
さて今回のテストは、
・7月26日にプリント及び測色した結果と、7月30日にプリント及び測色をしたデータを比較
・7月30日に作成したプロファイルを使い、同一条件で31日にプリント及び測色したデータを比較
・7月31日に「知覚的」と「相対的な色域を維持」でプリント及び測色したデータを比較
の3パターンです。テストプリントに使った画像は昨日自作した「テストチャート」です。なお、色の評価はグレイバランスで考えています。ちなみにそれぞれのプリント時の気温と湿度は以下の通りです。
7月26日は気温・湿度とも正確な測定データは無し
7月30日は気温29℃、湿度64%
7月31日は気温28℃、湿度72%
1つ目のテストでわかることは、測定のバラツキがわかります。ただし、印刷条件が微妙に違うのでまったく一緒にはならないと思われます。2つ目のテストでは、画像・用紙・インクなどの条件はすべて同じなので、温度と湿度の違いにより色が変化するのかがわかります。3つ目のテストでわかることは、マッチング方法による違いがわかります。
まず、1つ目のテストでは画面は以下のような結果になりました。数値的には最大で dE=5.62 でしたが1パッチだけなので、全体は dE=1.09 となっています。dE が 1.0 前後であれば測色によるバラツキはあまり問題ではなさそうです。ただ、26日は気温・湿度をメモするのを忘れてしまったので、なんとも言えないのですが…
■MeasureTool による測定結果
次回へつづく
毎回、興味深く拝見させていただいています。
ありがとうございます。
私も時期などによる違いは気になっております。
グレーバランスの件も興味がありますが、肌はi1で何度やっても綺麗に出ないので、プロファイルエディタを使ってプロファイルをカスタマイズさせました。
標準、肌用などいくつかのプロファイルが結局は必要なのだろうと思っています。
インクですが、温度などはもちろんのこと、製造番号(ロット)の違いによりかなり違ってくるような気がするのですが、そちらの方の違いに関してはどう思われているのでしょうか?
Orca さん、返信が遅くなりました。
仕事で出張が多いもので…
さて、プロファイルエディタでプロファイルをカスタマイズされているとのことですが、ここが判断の分かれ目ですよね。私個人的には、Eye-One でのカスタマイズをしなくても色が出るような方向性で考えています。例えば撮影現場での工夫、RAW ソフトでの対応など。
ただ、商売上肌色を赤っぽくとか、黄色っぽくといった方向にシフトさせることはありかなと思っていますが、どちらにせよ、インクジェットプリンタが安定していなくては意味がないんですよね。
あと、インクのロットによる変化について、そういった話があることは認識しています。しかし、私個人の意見としましてはそれほど大きな問題では無いと思っていますが、今度インクを交換したらプロファイルを作成してチェックしてみますね。(交換インクの本数により結果が大きく左右されそうですね)