デジタルカメラに最適なスタジオ作りとは?
先日、デジタルカメラに最適なスタジオのセッティングについてのお話を聞いてきたので、ここでご紹介したいと思います。ただし、私はスタジオ撮影は素人ですので、細かい突っ込みは無しでお願いします(笑
さて、デジタルカメラに最適なスタジオ作りのポイントをまとめてみました。
その1:露出
撮影は適正露出が一番良い。多くのデジタルカメラではシャドーで人肌が青っぽくならないように YR 方向へ補正される。アンダーの撮影が意外と多い。
その2:ライティング
メインとサブの光量はカメラにもよるが、3:1が基本。2:1ではベタになってしまう。もちろん撮影条件によっても変わってくる。また、それぞれのライトの色温度はそろえておかないと顔の右と左で色がズレてしまう。トレペを使えば約 200k の補正ができる。
その3:色温度
カメラで設定されている色温度はメーカーごとに基準が違う。
「カラーメーターの値 = カメラの色温度」
ではないので注意が必要。結局は撮影したデータから良いと思われる条件を見つけるしかない。
その4:ホワイトバランス
スタジオ撮影では、マニュアルホワイトバランスが安定した結果を出しやすい。オートではバックの影響により、ひどい結果になるケースがある。また、Photoshop であとから色のバランスをとる方法もあるが、トーンカーブを使って補正すると色の彩度まで変化するため、必要以上に彩度が上がったり下がったりするので、あまりおすすめはできない。
マニュアルホワイトバランスで注意したいのは、カメラやカメラのモードにより色の味付けが変わるので、例えばあるメーカーのグレイカードが良かったからといって、他のカメラでもそれが良いとは限らないということ。それぞれのカメラや設定条件にあったグレーカードを選ぶか、フィルターなどを使って補正をかけて使うなどの工夫が必要。
また、バックの色(特に紙の場合)によっては光が回りやすいので、色かぶりに注意する。勘違いしやすいこととして、撮影前にグレイでマニュアルホワイトバランスをとれば大丈夫と思っている人が多いが、スタジオ撮影の場合はバック紙により色かぶりが発生するため、その条件別にマニュアルホワイトバランスをとらなくてはならない。
その5:撮影セッティングの維持
結局のところスタジオでの色管理は、良い色がでた環境をいかに維持していくかにかかっている。それには定期的に本番環境でグレイカードを撮影するなどして、その数値(例えばグレイカードの RGB 値)をはかり、数値がズレていないか細かくチェックする必要がある。デジタルはライトの角度が少し上に向いたり、立ち位置が半歩ズレただけでも露出で 0.5 絞りくらい変化してしまうので要注意。
最後に私の感想です。
私が昔からこだわっているのは、デジタルの安定した運用方法なのです。マニュアルホワイトバランスや Eye-ONE なども安定した結果を出すために必要だから実験・導入してきました。最近インクジェットプリンタのチェックもその一環です。今回のセミナーで改めて感じたのは、スタジオのセッティングでも、その環境を維持・管理するためには人間の目にたよらず、何らかの方法できちんと測定し、チェックすることが大切なんだと感じました。