風景写真に最適な RAW現像ソフトを使い分ける
すごく個人的な評価になりますが、2013年11月時点における風景写真に適したナンバーワン RAW現像ソフトは Lightroom 5 だと思います。操作性、処理速度、プラグインの豊富さ、Photoshop との連携、発色や解像感など、総合的に見て一番でしょう。
しかし、ナンバーワンであっても万能ではありません。
Lightroom 5 のウィークポイントは日陰や薄暗いシーンでの発色が良くない。紅葉や人肌などが少々青みがかった色になり、他のソフトに比べて諧調が平坦な印象です。もちろん、色は調整をすることで改善はできますが、そもそも補正をしなければならないのは面倒。
以下、赤のサンプルです。
少々わかりづらいかもしれません。縮小された画像の方が諧調の差が分かりやすいかも。
■左から、Lightroom 5, DPP 3, DxO Optics Pro 9
現像パラメータはすべて初期設定です。
また、それぞれのソフトの特徴を見てみると Lightroom は緑系の発色が良く、Capture One Pro は赤系の発色が良い。
そこで使い分けとして、春の新緑や夏の緑が多い画像は Lightroom で、秋の紅葉の画像は Capture One Pro で現像する。また、ハイライトが飛びやすい写真では Lightroom 5 が有利。諧調を重視するなら Capture One Pro 7 といった具合です。ただ、初期値では仕上がりに差がありますので、コントラストなどを微調整します。
あと、昨日バージョンアップした DxO Optics Pro 9 は、この2つのソフトに十分対抗できるレベルになってきました。もともと DxO Optics Pro は「新緑」も「紅葉」もバランス良く発色するので、発色だけを言えばこのソフトがダントツ一番です。また、先日もコメントしましたが、初期設定での完成度が高い。ただ、仕上げるまでのさまざまな補正を考えると、もう少し機能がほしい。例えば部分補正。それとダスト除去機能の強化。そして、やはり解像感は「気持ち」もう少しほしいかな。
さて、今までの経験から考えると、一つの RAW現像ソフトだけで現像していると行き詰まることがあります。そんなとき、他のソフトで現像することで解決することが多々ありました。つまり、最終結論としては Raw現像ソフトは1つに絞るのではなく、それぞれの目的や被写体により使い分けるのが良いということです。
あっ、ちなみに DPP は一応純正ソフトなので色の判断基準にしています。