デジタル写真研究所における推奨デジタル環境
いままでに自分自身でトライしたり、友人やメーカーの協力でいろんな機材を触ってみた中から、私が独断と偏見で推奨できるものをまとめてみました。以下はそのリストです。
■デジタルカメラ
キヤノン、ニコンの一眼レフタイプ(できれば新しいカメラが良い)
■画像ソフト
Photoshop CS
■現像ソフト
C1 PRO 1.3.1 以上
■プリンタ
自宅用としては EPSON PM-4000PX,PX-G900
外部ではフロンティア
※業務用となればいろんな選択肢あり
■カラーマネージメントツール
i1 Photo
Monaco PROOF + DTP41 + OPTIX XR
まず、デジタルカメラは総合力を考えると現在はキヤノンかニコンになると感じています。
富士の S2PRO は使ったことがないのですが、自社でカメラ本体・レンズを作れていないメーカーは競争力に欠けると思っています。
また、デジタルカメラはどんどん進化していくと思いますが、私は根本的な機能アップがなければ買い替えの必要はまったくないと思っています。例えば画素のアップ、連射機能、操作性などのハード面の機能アップが必要ならば良いのですが、色(特にDIGIC)に関してはまったく買い換える必要はないと思います。なぜならばC1 PRO などの現像ソフトを使えば、それ以上の画質が手に入るからです。
値段は6万円くらいなので、デジタルカメラを買うよりもぜんぜん安い。
でも、なぜはみんなソフトにはお金をかけないですよね。おかしいなぁ。
私的にもし買い替えるのであれば、次世代のCMOSが製品化されたタイミングですね。
それ以外はあまり興味がありません。
RAW現像ソフトに関しては Photoshop CS もRAW現像機能がありますが、C1 PRO と同等の画質を手に入れようとしたらかなり大変です。結構パラメーターをいじらないとだめですね。唯一 C1 PRO 以外でお勧めできるのは SILKYPIX です。ただこれはまだ開発段階であることと、ファイル管理がいまいちなので、まだメインのツールとして使うには厳しいかな。
それと、プリンタは PM-4000PX の完成度が高いです。
光沢感を除けば、純正プロファイルのできばえ、プリンタのつくりなど最高です。
例えば色に関しては、カラーマネージメントツールを使うことにより、100%の性能が発揮でき、このときの質感はフロンティアに匹敵します。
また、ハード面ではインクの交換ランプはインク専用にあるのでわかりやすいし、用紙サイズより大きい印刷の場合であってもはみ出した部分には印刷しない。これは PX-G900 からの機能と思われがちですが、PM-4000PX には実装済みなんですよね。それに、純正のプロファイルで唯一使えるのもこの PM-4000PX なんですよ。
PX-G900 は光沢紙対応と印刷速度、静粛性といった部分を改良したモデルなんですが、純正のプロファイルのできばえはいまいちです。これは同じ画像を PM-4000PX とPX-G900 の純正プロファイルでプリントした結果を比較すれば一目瞭然です。同じメーカーの製品ですから、ほぼ同じ品質の写真がプリントされるはずなのですが、かなり品質の違う写真がプリントされてしまいます。
PM-4000PX の純正プロファイルは i1 Photo や MonacoPROFILER で作成したものと品質的には近いものがプリントされますが、PX-G900 はレベルが低いですね。これは少々残念です。
ただし、PX-G900 もカラーマネージメントツールを使ってプロファイルを作成すればかなりの品質レベルにはなるのですが、それでも PM-4000PX の質感には今一歩及ばない感じです。
画像ソフトに関しては賛否両論あると思いますが、結局はトリミングやゴミとり、プロファイルの変換およびバッチ処理を考えると、単純に値段だけでは語れない機能が沢山あり、Photoshop は必須のソフトだと思います。特にフロンティアをメインで使う場合はプロファイル変換をしてプリントをしなければなりませんので、これがなければ正しい色はプリントできません。
最後にカラーマネージメントツールは、主にモニタのキャリブレーションとプリンタのプロファイル作成がメインになると思います。私はまだ Monaco OPTIX XR は使っていないので最終判断ではないのすが、ここでのお勧めは i1 Photo です。
まず値段は30万円くらいですし、モニタとプリンタの両方を分光測色計で測色できること。これは今のところこの i1 だけです。他のメーカーは最低2種類の測色計を使っているためコスト的にも高いし、それ以前の問題としてモニタの測色計がCCD+フィルタ形式であることに疑問を感じています。これはMonacoEZcolor もそうであったようにCCD+フィルタでは正しく色を測色できなかったからです。
実際に i1 Photo を使ってモニタのキャリブレーションを行ってみたところ、今までにないとても澄んだ色に調整できました。また、プリンタのプロファイルに関してはハイライトとシャドー付近のマッピングがうまく処理されていて、Monaco では若葉の緑が黄色になる現象や、暗い部分に儀色(紫色になる)が出る問題などが、i1 Photo ではまったく発生しません。
ただ、人肌に関してはうまくチューニングされていて、色の好みとしては Monaco なんですよね。難しい選択です。
i1 Photo はプロファイルの修正ができないのですが、本職の方でもここまで必要な方はあまりいないのではないでしょうか? もし必要ならば10万円くらいで、Profiler を購入することをお勧めいたしますし、お金に余裕があるならば、Monaco PROFILER + i1 をお勧めいたします。この組み合わせは最強でしょう。