デジタル風景写真の「質感」をポジフィルムに近づける

今日はこれまでに調べてきた「デジタルカメラにおける風景写真の「質感」を、どれだけポジフィルムに近づけることができるか?」の研究について、わかったことをメモとして残そうと思います。細かい設定については今回掲載しませんが、大きな方向性と流れを書き留めておこうと思います。

さて、はじめに断っておきたいのは、私の研究は「知識」と「経験」と「感性」を大切にしているってことです。ここに「感性」があるのは結構大切なことで、知識や理論も大事ですが、それだけでは説明のつかないことが沢山あることを経験してきたからです。

ですので、「・・・と思う」などの感覚的な評価が多いのが私の特徴です。もちろん、Eye-One などの測定器も使って実測をすることもありますが、数値が良いからといって必ずしも良い結果にはならないと考えています。

では本題です。


いままで撮影してきた写真を見て不足と感じるもの・・・ それは「発色」と「ダイナミックレンジ」の2つであると思います。どちらもポジフィルムと比べるとかなり厳しい。

デジタルカメラの場合、「発色」はカメラもしくは RAW 現像ソフトで決まります。もちろん、あとから Photoshop で修正をすることもできますが、品質と手間を考えると現実的ではありません。RAW 現像ソフトは純正ソフトとサードパーティ製のソフトとありますが、どれも独自の色を追求しているのは良いのですが、私にはあまりしっくりときません。

そこで色の基準を何にすれば良いのか、いろいろな手法やソフトを使い思考錯誤してみた結果、今のところ ALIEN SKIN 社の「EXPOSURE 2」を基準色とするのがベストだと考えています。これは Photoshop のプラグインソフトで、Camera Raw のパラメータ(白とび軽減、補助光効果、黒レベル、明るさ、コントラストなど)をすべて「ゼロ」にした状態をベースにフィルム色をシミュレーションするソフトです。(EOS-1Ds MKII の RAW をベースに調整されたようです)

他にも DxO Labos 社の「DxO FilmPack」や NIK Software 社の「Color Efex Pro 3.0」などもありますが、Exposure の発色が一番自然に見えました。また、細かくパラメータをいじることができ、アクションと連携することでかなり作業を軽減できることも良いポイントです。

 ■ ALIEN SKIN 「EXPOSURE 2」(日本代理店)
  http://www.panda.co.jp/alienskin/exposure/

 ■ NIK Software 「Color Efex Pro 3.0」(日本代理店)
  http://www.swtoo.com/product/nik/cep3/index.html

 ■ DxO Labos 「DxO FilmPack」(日本代理店)
  http://www.swtoo.com/product/dxo/filmpack/index.html

デジタルの時代、なにもフィルムに戻らなくてもと、私自身も考えましたが、結局のところ他のソフトの色では納得できるレベルには到達できず、ここに落ち着いたわけです。

余談ですが、最近のカメラは高感度になり、彩度とコントラストは良くなりましたが、色相のずれなのか、シアンやマゼンタにかたよることがあります。それがなんとなく不自然な印象につながっているようです。(EOS-1Ds と EOS 40D を比較した場合です)

それと、もうひとつの問題である「ダイナミックレンジ」については「HDR(ハイダイナミックレンジ)」が今のところ有力な方法であると思われます。HDR ソフトというと、なんか作られた世界を演出するツールのように扱われていますが、その考え方は古くからありましたし、どのソフトでパラメータをどう設定するかで、かなり印象が違ってきます。

私は最終的に「Photomatix Pro 3」の「Exposure Blending」機能を使うことが最善の組み合わせではないかと考えています。この「Exposure Blending」機能とは、フィルムでいう「多重露光」と同様の考え方であると思われます。

つまり、純粋に露出の違う写真を3枚以上組み合わせて、ダイナミックレンジの広い写真を作る技術です。パラメータでいじる部分が少ない分、シンプルで、自然なブレンドが可能となります。ちなみに、超有名な機能としてトーンマッピングという機能もありますが、これだと自然な感じに追い込むことはかなり難しそうです。

 ■ HDR soft (こちらは日本代理店もありますが日本語訳が遅い)
  http://www.hdrsoft.com/

このソフトはさらに「Lightroom」との連携もできるので、作業性が格段に向上します。ここでは詳しくは触れませんが、Photoshop でも同様の機能はありますが、作業性やクオリティを比較した結果、今回は見送りました。

「HDR」が完璧だとは言いませんが、ハイライトからシャドーまでの情報量がアップするため、ハイライトが飛んだり、シャドーがつぶれることが少なくなり、自然なメリハリのきいた画像になります。また、副産物として、ハイライトが粘ると PX-5500 でプリントしたとき、雲などが飛ばずに残るため、まったくインクが乗らない部分が激減します。そうすると写真を斜めから見たときに感じる不自然さがかなり軽減されますね。

さて、ここまでの流れを簡単にまとめると、「Lightroom」から必要な全てのパラメータを「ゼロ」にして露出の違う画像を3枚用意する(露出を+2、0、-2)。次に「Photomatix Pro 3」でこの3枚をブレンドし、Photoshop に渡す。その後「EXPOSURE 2」でお好みのフィルム色に変換して完了。

今現在はこんな形で研究をしています。

以下サンプルです。
色を正確に見るためには、Windows パソコンの場合は「FireFox 3」で、カラーマネージメントを有効にしてご覧くださいね。

 ※2009/11/14 サンプル画面変更

 左:DPP 3.7.2 / ピクチャースタイル:風景
 右:Lightroom 2.5 + Photomatix Pro 3.2.6 + Exposure 2 ( Velvia 100 )

 Sample_090215_01.jpg

また、風景写真の場合どうしても PL フィルターを使う機会が多いと思いますが、DPP で現像する場合、サンプルのように完全につぶれてしまうケースもあるので注意が必要ですね。

 左:DPP 3.7.2 / ピクチャースタイル:風景
 中:Lightroom 2.5 + Photomatix Pro 3.2.6 + Exposure 2 ( Velvia 100 )
 右:DPP 3.7.2 ピクチャースタイル:風景(PLフィルターなし)

 Sample_090215_02.jpg

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