FUJIFILM X-T2 の解像度と階調について考えてみた
今日は、FUJIFILM X-T2 の解像度(解像感)と諧調について私の個人的な意見を述べたいと思います。
これまで、解像度といえばパソコンのモニタ上で等倍(100%)表示させ、どれだけ解像しているのかを評価してきましたが、等倍表示で解像していたとしても、パソコンや iPad で写真全体を見るときは縮小されるため、等倍での解像度の高さを実感することがあまりありませんでした。
良い例が EOS-1DX と EOS 5Ds R を iPad で比較した場合です。iPad で見る限りその差は全くわからない。もちろん画像処理エンジンやカメラごとのチューニングの「違い」はわかります。
しかし写真全体から受ける「シャープさ」や「階調の豊かさ」などが高画素により改善するわけではないと言うことです。もちろんそれが、全紙サイズやそれ以上の大きさにプリントするならば高画素は必要でしょう。
これまでは、高画素になれば「解像度」と「階調」がアップすると信じていたのですが、少なくとも私の環境では違いました。しかし、ここで言いたいことは高画素が必要ないという話ではありません。
高画素はもともと「解像度(解像感)」と「階調」が優れている写真を大きく引き伸ばしたいなどの理由があるときに必要になる要素だと思います。
■ EOS 5Ds R + DPP4(初期値で現像、ピクチャースタイル=「風景」)
■ EOS 5Ds R + Lightroom CC とフィルムプリセット「RNI FILMS 4 – Slide」(Velvia100)
本当の問題は「絵作り」なんだと思います。つまり「画像処理エンジン」です。
少なくとも、キヤノンのカメラから出力される画像は風景写真向きではありません。DPP や Photoshop などでの2次加工が必要です。
これは本格的にデジタルカメラを使い始めてから15年たちますが、その当時から変わっていないことを考えると、キヤノンの画像はあくまで「素材」であって「仕上げ」は撮影者で行ってくださいということなんだと思います。(キヤノンは以前そんな発言をしていました)
では、X-T2 はどうか?
X-T2 は違うんです。最初から「写真」としてのシャープさや諧調を考えて作りこんであります。つまり絵作りでシャープ感や階調が出せると言うことです。
例えるならば、キヤノンは風景写真を「空」「ひまわり」「葉っぱ」など、部分を注視したときにどう見えるか。それで暗部がつぶれないように作られている。つまり部分最適と言うべき絵作りです。
富士フィルムは写真全体を見たとき、ここはこれくらい明るいがここは黒くつぶれるなど、部分ではなく写真全体を見たときのバランスで絵作りがされていると言った印象です。つまり全体最適と言うべき絵作りです。
なので、写真を iPad などで見ると不自然さがなく、シャープでかつ階調豊に感じるのではないでしょうか。とにかくこのあたりの絵作りが富士フィルムはうまいと思います。
ただし、コントラストが高めなので、シャドーの調整が必要なケースもあると思いますが、それでも写真全体を眺めたときの自然な感じは半端ないと思います。あとはお好みでフィルムシミュレーションを選択することでそのまま写真として完成します。もちろん私は「Velvia」ですが (笑
さて、X-T2 で写真を撮るようになって、
1. RAF の現像時に色(色調や階調)の調整をしなくなった
2. 等倍表示はあくまでピントの確認のためだけに使う
3. Facebook への投稿がその場で出来るようになった
という変化がありました。
まぁ、おかげ様で仕上げ時間が無くなり、より写真を楽しむことができるようになりました。そして一番の変化はカメラやレンズのスペックを追わなくなったことですかね(笑
しかし、良いことばかりではありません。カタログにある「実際の画素数を上回る」とか、巷では「フルサイズに匹敵する画質」とか言われていますが、等倍で見る場合は正直足元にも及びません。
また、ローパスフィルタが無いことも実感できませんね。しかも「ポップコーン現象」が出たときの不自然さといったら・・・
でもまぁ、何度も申し上げてきたように、この X-T2 の良さは写真の「部分」ではなく「写真全体」を眺めたときの「解像度(解像感)」や「階調が豊である」ことだと思っておりますので、それはご愛敬ということで。
しかし、そのためにはモニタは4K以上の性能が必要ですけどね。それが私が iPad をフォトビューアにしている最大の理由がここにあります。
とにかく、こと風景写真において富士フィルムの X シリーズは最強ですよ~